
2025.9.18
ソウルポップコン2025総括レポート
2025年9月12日〜14日、韓国ソウルで「Seoul POPCON 2025(Seoul Pop Culture Convention 2025)」(以下、ポップコン)が開催されました!
場所は、江南(ハンナム)エリアにある巨大複合文化施設COEX。最寄りの地下鉄9号線奉恩寺(ボンウンサ)駅から徒歩約2分、地下鉄2号線三成(サムソン)駅から徒歩約5分と、アクセスしやすい場所にあります。

地下にはアジア最大級のショッピングモールがあり、水族館、映画館、カジノなど色々と見どころがあるのですが、今回のお目当ては1階のホールAです。

訪れたのは初日の金曜日午前中だったので、まったりとした混み具合。各ブースの間隔も広々としていたので、ストレスなく回ることができました。



ポップコン内は、企業や個人によるブース出店、ゲームゾーン、ステージなどで構成されています。
こちらは、モーションキャプチャソフトウェア「MoA」のブース。演者と映像のギャップが面白く、つい見入ってしまいました。

大量のガチャガチャコーナー!

よく知っているキャラクターとハングルの組み合わせ、というだけで特別感UPです。


サインペンブランド「POSCA」協賛によるドローイングゾーン。オープン直後はスペースにゆとりがありましたが……

数時間後に再訪すると、個性豊かなイラストでびっしり埋め尽くされています! 日本発祥のキャラクターもたくさん描かれていて嬉しくなりました。


ボードの反対側は、今年のポップコンのビジュアルの塗り絵ができるコーナーになっています。


ペンタブレット製品で知られる「Wacom」のブースでも、お絵描きを楽しめました。


ソウルでは2017年から2019年まで「Comic Con Seoul」が開催されていましたが、コロナ禍を経た2022年、別企業主催のポップコンがその座を受け継いだ形になったようです。アメコミ以外にゲーム、映画、アニメーション、音楽、ウェブトゥーンなど、コンテンツ幅も拡張。そのため、ハリウッド作品やアメコミが主軸である日本のコミコンと異なり、特にゲームの要素が充実していたように感じます。

インディゲームのブースが軒を連ねる「インディゲームヴィレッジ」。

全9個あるインディゲームをプレイしてスタンプを集めると、ガチャ券を3枚もらえ、可愛いグッズが当たります。


『太鼓の達人』をプレイできるコーナー。音声は日本語なのに表示される言語がハングルで不思議でした。

近年、韓国で人気上昇中のボードゲーム。2024年にクラウドファンディングで韓国版が発売された『Last Camper』に興じている若者たちを見かけました。

同ゲームは、各自4枚のカードと13本の薪を持ってスタート。ターンごとにカードを使って生き残りを維持したり、他プレイヤーを攻撃したりし、砂時計が落ちると全員が薪を失い、薪が0になると敗北。最後まで生き残るか、薪を26本以上集めたプレイヤーが勝者となるサバイバルゲームだそうです。

プロモーションの一環として、重要な“薪”を配っていました。

キーボードブランド「c.E.dot」の出展は、PCゲームも盛んな韓国らしい気がします。

カラフルな色使いや木製の質感が素敵!


アメコミ系フィギアは、大手メーカーの出展がないからか、自作の展示販売がメインでした。




その場でフィギア塗装体験ができるコーナーもあります。ポップコン、“無料体験”できるコンテンツが多くて良いです!


レトロなフィギア&雑貨の販売もありました。このゴチャゴチャ感がたまりませんね。

今回楽しみにしていたのが、韓国唯一のアメコミ専門店/ボードゲームカフェ「Dice & Comics Café」の出展。

マーベルやDCなどのアメコミがズラリ。


オーナーのジョーイさんは『アイアンマン』のクリエイターとして名高いボブ・レイトン氏との関係も深く、同店では、『アイアンマン』第1話の韓国限定オリジナルカバーの制作・出版も手がけました。


ほかにも、『ガッチャマン』の韓国限定オリジナルカバーなども! かっこいい!!



「15時から有名なラッパーで俳優の◯◯が来るからまたおいで」とジョーイさん。そこで時間通りにブースを再訪してみたところ、名前と顔が一致しました。『イカゲーム』『ムービング』などの出演で知られるヤン・ドングン(YDG)のサプライズ訪問でした。

ジョーイさんは出版社「TDL Studios」も運営。今年11月よりYDG主演コミック『HOTEL BETHESDA』のクラウドファンディングを開始予定で、そのプロモーションだったようです。今後も韓国スターとアメコミを融合させた企画を仕掛けていくとのことで、楽しみです!

「Dice & Comics Café」のお向かいは、アイアン・ウィルさん(@i_am_iron_will)のブース。(良いネーミングセンス!)

ウィルさんはアメリカ出身、韓国在住のアーティスト。独特な筆遣いでアメコミキャラを表現しています。


熱心なコレクターでもあり、自身の作品以外に、収集したアメコミやフィギア、古いビデオテープなども展示販売していました。



「これは売り物ではないけれど……」と見せてくれたのは、『スター・ウォーズ』のフィギアコレクション。遠い昔、同シリーズのフィギアは“玩具”として販売・購入されていた傾向が強かったので、遊び倒されて一部パーツを失ったフィギアなども多いそうです。でも、それもまた味わい深いですよね……!!

『スター・ウォーズ』と言えば、韓国の『スター・ウォーズ』ファンによる出展「501st Korean Garrison & Rebel Legion Ileenium Outpost」もありました。

同2団体は、小児がん児童へのチャリティ活動にも勤しんでいるそうです。

ブースでは、スカウトトルーパー&ジャワと記念撮影ができました!

この流れで、この日遭遇したコスプレイヤーの方たちのスナップを紹介しましょう。
韓国の変形ロボット玩具及びアニメシリーズ『メタルカードボット』より、ブラストレイン。

『ポケットモンスター』のムサシ&コジロウ。

『千と千尋の神隠し』のカオナシ+坊ネズミ+ハエドリ。

何のコスプレか聞きそびれてしまったけれどクールだったコスプレイヤー。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』ハントリックスのミラ。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』サジャ・ボーイズのミステリー。

どの“コン”でも必ず遭遇する、『テリファー』のアート・ザ・クラウン。

ちなみに、コスプレイヤー向けの更衣室はホール“内”に設置されていました。

「アーティスト・アレイ」といった大きな括りなどはありませんでしたが、作家さんたちの出展も幾つかありました。アメリカのアニメーションの影響が色濃いMiacatさん(@miacat0)のイラストにキュン!

『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘプバーン、「青い珊瑚礁」を歌うハニちゃん&聖子ちゃんなどスターたちを描いたイラストや、音楽をモチーフにした作品など……どれも女の子たちの表情が生きいきとしていたのが印象的でした。


今年のポップコンのビジュアルにも採用されていた、nolaniさん(@nolani_studio)のブース。

ポップな色使いとキャラクターのニコニコ笑顔がハッピーな気持ちにさせてくれるイラストで、可愛らしいグッズが揃っていました。

なんと、nolaniさんは『セーラームーン』が好きで絵の道に進み、日本への留学経験もあるとのこと。そのご縁で、ぜひ日本でもポップアップを企画していただきたいです!

ほかと毛色が異なり目立っていたのは、アヒルのキャラクターが目印のライフスタイルブランド「DUCKSOONI」のブース。

アヒルのイラストクッキーと食べられるデコレーション絵の具などをまとめたセットが販売されていました。ファミリーへのお土産にぴったりです!



最後にステージについて紹介しましょう。期間中、毎日2〜5ステージが開催。俳優、声優、ウェブトゥーンクリエイター、ミュージシャン、バーチャルライバーが登壇していました。


金曜日の目玉は、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の韓国語版主演声優キャストによるトークイベントです。

終日MCを担当していたのは、ベテラン声優のナム・ドヒョン。

左から、ゾーイ役のキム・イェリム、ルミ役のシン・ナリ、ミラ役のキム・ドヨン。

イェリム&ドヨンで「ソファ」を連呼するシーンの再現や、それぞれ動物の鳴き声を披露するなど、声優の方たちならではのスペシャルパフォーマンスもあり。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』続編についての質問には、それぞれ上手くはぐらかしていた様子。


韓国語初級者につきほとんど理解できなかったことが悔やまれますが、3人の仲の良さは伝わってきたステージでした。


ちなみに、アニソンDJなどがパフォーマンスを披露する裏ステージもあり。金曜日だったので人まばらでしたが、土日はもっと混み合っていたかと思われます。皆楽しそうに踊っていました!

ポップコンは、大手企業が参入していないためインパクトに欠ける点は否めなかったのですが、その“余白”があるからこそ、様々な体験を満喫することができました。今後、韓国でポップカルチャーがどのように発展していくかによってイベントのカラーも変わっていきそうで、将来が楽しみです。
ちなみに今年のチケットは、3日通し券80,000ウォン、1日券28,000ウォン、子ども1日券20,000ウォンと、お手頃価格です。来年、皆さんもソウル旅行の合間に訪れてみてはいかがでしょうか?