
2025.8.20
ノルウェーのポップカルチャー専門店「Outland」訪問記
縁があり、ノルウェーでゆるり夏季休暇中の編集部。でも、滞在先のトロンハイム(※同国第3の都市)で面白そうなお店を発見し、つい取材魂がうずいてしまいました……!
ということで今回は、ノルウェーのポップカルチャー専門店「Outland」の訪問記をお届けします。

Outlandは、全国に11店舗を展開するノルウェー最大級のポップカルチャー専門チェーン。取り扱っているのは、コミック、漫画、小説、ボードゲーム、プラモデル、フィギア、あらゆるジャンルやファンダム向けのグッズで、「ノルウェー随一のオタクの楽園(Norway’s ultimate nerd haven)」と謳っています。
首都オスロの本社兼旗艦店は北欧一と言われる大きさで、実物大の映画関連のレプリカ展示や限定イベント開催などもある“体験の場”になっているそう。
今回訪れたトロンハイム店も、オスロ店ほどの規模感ではないとはいえ、3階建ての空間にポップカルチャーがぎっしり詰まっていました。

コミック、漫画、小説、ボードゲーム、プラモデル、フィギアのほか、K-POPアーティストグッズやアジアングルメも販売。
3階にはイベントスペースもあり、不定期的にポケモンカードゲームバトルなどを開催しているとのことでした。




アメコミコーナーでは、『ピースメイカー』や『ファンタスティック・フォー』など、今話題の作品をプッシュ!

海外コミックは、アメリカのTPB(アメコミの連載をまとめたソフトカバー単行本)が多め。なかには、ノルウェー語訳バージョンもありました。

日本の漫画もラインナップ豊富です。人気作品は『ONE PIECE』『鬼滅の刃』『チェンソーマン』『ダンダダン』などで、動画配信サービスでも同様の作品がランキング上位をキープしているとのこと。
なお、Outlandは漫画出版社Outland Forlagも運営しており、2023年からは新訳ノルウェー語版『ONE PIECE』の制作に注力。日本の作品が遠い国でも翻訳されていることに、胸が熱くなりました……!

最後に、店員さんおすすめのノルウェーコミックを教えていただきました!
写真左から、『Mantikorens kongerike 1: Villgutten Silmon』(作家:Hiwar Nheli)、『Forbi Stjernenes port』(作家:Benedicte Luane Kristensen&Sam Einar Engh Syftestad)、『Mørkalven』(作家:Helen Kaldheim)。

『Mantikorens kongerike 1: Villgutten Silmon』(直訳:マンティコア王国1:野生少年シルモン)の主人公は、森番の少年シルモン。クリスタルの森で平穏に暮らす彼が、巨大な蛇に襲われる若き戦士を助けたことから冒険が始まります。クルド神話、日本の漫画表現、西洋ファンタジーを融合させた独特の作風が特徴だそうです。
『Forbi Stjernenes port』(直訳:星々の門の向こうへ)の主人公は、叔父オリバーと一緒に無人島で暮らしている15歳の少女パプリカ。ある日、空から落ちてきた宇宙船を発見し、そこに乗っていた紫色の少女カバと遭遇。カバが探していたのは、「願いが叶う」と言われる“星の門”で、パプリカとオリバーもその旅に参加するーーというノルディック漫画系SFアドベンチャーです。
『Mørkalven』(直訳:暗黒のエルフ)の主人公は、白いエルフたちのいる社会で育ち、差別と偏見に苦しんできた黒いエルフ唯一の生き残り、カイム。ある日、すべての種族が平和に暮らせる地“ジョーカー”があると知り、そこを目指して旅することを決意します。同作は、ファンタジーと社会問題を融合させており、特に若者から支持を集めている作品だそうです。
どうやらノルウェーでは、アドベンチャー系の漫画が人気のようですね!
ちなみにトロンハイムでは、コスプレ・アメコミ・漫画の祭典「Torucon」が毎年8月上旬に開催。10年間続く人気イベントで、Outlandも出展しているのだとか。
ポップカルチャーが好きで、“冒険”をしてみたい方は、Outlandとセットで訪れてみてはいかがでしょうか?

Outland Tronheim
住所:Jomfrugata 4,7011 Trondheim
アクセス:トロンハイム駅から徒歩約7分
営業時間:月-水・土 10:00-18:00、木・金 10:00-20:00
Instagram:@outlandtrondheim