2025.9.21

韓国唯一のアメコミ専門店/ボードゲームカフェ「Dice & Comics Cafe」訪問記

先日、「Seoul POPCON 2025」に参加した足で、同イベントに出展していた「Dice & Comics Cafe(DCC카페)」の実店舗にも立ち寄りました!

同店は、ジョーイさん&クレオさんご夫婦が営む、韓国唯一のアメコミ専門店/ボードゲームカフェ。東大門エリア、地下鉄5号線長漢坪(チャンハンピョン)駅より徒歩約12分の場所にあります。

「Dice & Comics Cafe」の始まりは、約10年前。ボードゲームカフェとして軌道に乗ってきたところでコロナ禍に突入、対面ゲームが難しくなった影響でアメコミ販売もスタートさせ、現在の形態へ至ったのだとか。

ジョーイさんは6歳のころ、父親に「ボードゲームやピンボール、ホットドッグ、コミック、ビデオゲームがあるお店をやりたい」と話していたそうで、まさにその夢通りの場所になっていました。

月・火曜日は定休日で、その他の営業日には毎日イベントを開催。水曜日は19時から「Dungeons & Dragons Night」、木曜日は19時から「Drink&Draw」、金曜日は19時から「Friday Night TRPG(テーブルトークRPG)」、土曜日は13時から「Board Gamer Meetup」を実施。日曜日は不定期でスペシャルイベントを開催しているそうです。

私たちが訪問したのは金曜日。テーブルトークRPGを楽しんでいるグループが幾つかあり、みな和気あいあいと楽しそうに過ごしていました。ふだん交わらなさそうな人々がゲームやコミックを介して交流する様子に喜びを覚える、とジョーイさんは話します。

山積みのボードゲームにも圧倒されましたが、アメコミの量もすごいです! 2週間ごとに新作を発売しており、小さな出版社の作品までカバーしているとのこと。

古いコミックのリプリント版も販売。当時の韓国では簡単に入手できる機会がなかったため、その追体験ができると人気だそうです。

マーベル&DCに特化したコーナーも設けてありました。写真は、DCの専門棚。

こちらはインディーアメコミの棚。

ホラーコミックコーナー!

韓国でも大人気、『トランスフォーマー』の棚もありました。

去る7月には『トランスフォーマー』のスケッチコンテストも開催。『The Transformers』第1号(1984年、Marvel Comics刊) 脚本担当のラルフ・マチオ氏と、プロのカバーアーティスト2名が審査員で、優勝景品はアニメ『トランスフォーマー』のセル画。プロ並みの腕前の人も多く、選考に時間を要しているそうです。

Seoul POPCON 2025」のレポートでも軽く触れましたが、現代のアイアンマン像やアントマン像を築き上げた伝説的クリエイターのボブ・レイトン氏(@official_bob_layton)と「Dice & Comics Cafe」は深い関わりがあります。レイトン氏と一緒に『ガッチャマン』の韓国限定オリジナルカバー版コミックを制作したり、サイン会を開催したり、様々な企画を長年一緒に行なってきたそうです。

毎週木曜日に行われる「Drink&Draw」には、レイトン氏をはじめ、ユン・ソンハンさん(@yune_sunghan)、インピョ・ジョンさん(@inpyowho)、ダニー・キムさん(@dannykimart)といった韓国系アメコミ作家が参加。プロと交流しながら絵を描くことができます。気軽な集まりながら、「常連組はどんどん絵が上達している」とジョーイさん。なお、描かれた作品は後日販売&収益は慈善団体へ寄付しているそう。なんて素敵なイベントなのでしょう!

ところで、ある日ふらりと来店した日本人女性に「今晩は『Drink&Draw』というイベントがあるから、あなたもどう?」と声をかけ、蓋を開けてみたらびっくり、その方はかなり絵がお上手ーー実は、『マーベル・ライバルズ』のカバーアートなどで知られるtokitokoroさん(@tokibangart)ご本人だったそう! 以降交流が生まれ、近い将来には「Dice & Comics Cafe」とtokitokoroさんの共同で、“K-POP”を題材にした日本独自企画をやりたいと考えているそうです。

様々なアメコミ作家とのエピソードを話してくださったジョーイさん。ライブドローイングで有名な故キム・ジョンギ氏によるDCカバーのプリントに、彼のサインやスケッチが描き込まれた“私物”を見せてくれました。これは、同じアメコミファンに見せて喜んでもらえたら、と自宅から持ってきたそう。お店には、そんなジョーイさんの分かち合い精神がそこかしこで光っていました。

レトロなフィギアやカードなど、様々なアイテムが所狭しと置かれています。

見上げたところにも色々います! この子ども部屋みたいな雰囲気が、居心地良いのです。

店内では、ハンバーガーやホットドッグ、フライドポテトといったアメリカングルメや、シェイクやスムージー、コーヒー、アルコールなど、種類豊富なドリンクを注文することができます。

今回は、看板メニューの「バタースコッチシェイク」(9,000ウォン)をいただきました。ほんのりアルコールが効いているけど、シェイクならではの甘みもガツンとくる絶品ドリンクでした。

잘 먹었습니다!

Dice & Comics Cafe(DCC카페)

住所:서울 동대문구 천호대로 83길 93 서울시 ,02629 서울특별시
アクセス:地下鉄5号線長漢坪(チャンハンピョン)駅より徒歩約12分
営業時間:水-金 13:00-22:00、土 11:00-23:00、日 11:00-21:00
Instagram:@thedicelatte